あるワケないじゃん、そんな恋。



「………えっ」


店の前まで来て、菅野の足が止まった。


「何してんだ?行くぞ!」

「えっ…でも、ここジュエリーコーナーだよ?……」

「そうだな。プレゼント買うんだから最適だろ。すみませ〜ん!」

「えっ⁉︎ …あの、羽田……さん…?」


その気色悪いのやめろって。いい加減直せっ!



「ほら、来いよ。自分の好きなの選べ」


腕掴んで引き寄せた。
隣にやって来た菅野は、ケースの中に並ぶジュエリーを見て瞬きを繰り返してる。



「……アンクレット?」

「そう!お前、足がキレーだから似合うと思って。何がいい?高いのは勘弁な!」

「そんなの……何でもいいよ。羽田が選んで」

「意思ナシか?じゃあ勝手に選ぶぞ!」

「ど…どうぞ…」

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