あるワケないじゃん、そんな恋。
まさか…のまさか…だよ⁉︎

羽田にジュエリープレゼントされるなんて、思ってもいなかった。



「この赤い石の付いた細いやつがいいな。似合いそう。これ下さい」



「はい。少々お待ち下さい。お包み致します」


店員のオネーさんニッコリ笑って持ってちゃった。

私はまだ信じられなくて、茫然と立ち竦んでるのに。



「鳩みたいに真ん丸な目ぇしてんじゃねーよ!」


荒っぽい言葉使ってるけど、羽田だって顔赤いし。


「ジュエリーのプレゼントって、私以外にもしたことある?」


嫉妬とかじゃないよ。
羽田が照れてるっぽいから聞いただけ。


「したことねぇよ!菅野が初だ!」

「うそだぁ!前にイブの時、格安のプランだって言ってたじゃん!他にも買ってあげた人いるんでしょ⁉︎ 正直に言って!」


怒らないから言おうよ。
初めてとか、マジ照れくさいから。


「お前、可愛くねーな。買ってやったことなんかねーよ!強請られたことは何度もあるけど……」


疑り深いな…って、当然でしょ!
免疫低いんだから。


「お待たせ致しました。プレゼント包装にしております」


「どうも。…ほら!やるっ!」


「そんなプレゼントの仕方ってある⁉︎ もっと心を込めて…」


「お前にはこれで十分!人の過去疑ってばっかだから!」


怒ったように歩いてっちゃう。


ーー怒らせた?

デリカシーなさ過ぎた?


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