あるワケないじゃん、そんな恋。
「…………待ってぇ…!!」



何だか足が前に出にくい。

怯えてるせい……?





「……ぎゃっ!!」

「おっと…!」


ガシッ!と手を掴まれた。
転びそうになった私を、振り返った羽田が受け止めたんだ。


「セーフ!危なかったなぁ。俺がいて良かっただろー!」


悪戯っぽい顔して笑うんじゃないよ。
こっちは嫌われたかと思って冷や冷やしたじゃん!


「もうっ…!羽田のバカ!それから私はもっとアホー!」


ーー転ぶのはヤだけど、もっと嫌なことに気づいた。


羽田に嫌われるのはヤダ!


何より一番悲しいっ…!


< 169 / 209 >

この作品をシェア

pagetop