あるワケないじゃん、そんな恋。
(今、派遣始める…って言ったよな⁉︎ …派遣はマズい!元カノと同じ羽目になるっ!!)


「派遣の仕事は止めとけ!ロクなの紹介しねえ!」


マズい気持ちを隠しつつ話すと、天然女はキョトン…とした顔で聞き返した。


「どうして知ってるの?羽田の知り合いに派遣で勤めてる人でもいる?」


「いねーけど…」


「だったらいいじゃん!古本屋のパートを続けながら出来るやつ紹介してもらうんだ〜!それで、もう少しまともな生活するの〜!」


今がまともじゃないような言い方するな!

お前が言うところのまとも…って、結局は高級志向に走ることかよ!



「俺、反対!今のままで十分だと思う」


「十分じゃないから働きたいと思うんでしょ!羽田にはわかんないよ!社員として働いてるんだからっ!」


何だよ、その不服そうな顔は。

そんなに金が要るのかよ。



「そんなに言うなら勝手にしろよ!俺はもう知らねーからっ!」


どうせ、お前も派遣先で要らねー知恵、授けられてくるんだろ。


古本屋の社員には将来性なんかない!……ってな。


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