あるワケないじゃん、そんな恋。
そんなのってアリ…?
緑と赤に染まる日が来た。
古本屋のパッケージもクリスマスムードに変わる………
「…ワケないか」
レジ打ちしながら独り言。
すみません。独り言が多くて。
いつも通りの黄色の袋に商品の本を詰め込んでーー。
「ありがとうどざいました!お売りできる本などありましたら、また是非お持ち下さい!」
ニッコリ微笑んでお客さんを見送る。
今日は遅番。だから20時まで勤務だ。
「菅野ちゃん悪いね〜。イブだって言うのに遅番で……」
店長の佐々木さんが申し訳ながる。
「いいですよ〜別に。大して用事もないし」
持ち込まれた本を選別しながらの返事。
あの日以来、店長達からの質問は少なくなってる。
自分は童貞じゃない…と言い出せない羽田が、「ほっといてくれ!」と頼み込んだからだ。
「今日はこの後デートなんだろ?」
クマさんをはじめとする他の男性店員達の耳がダンボになってる。
その質問の意図することを考えた上で、ニコッと笑ってごまかした。
「ご想像にお任せしま〜す!」
鼻歌まじりで仕事してるもんだから誰にでも分かっちゃう。
イブに泣く作戦を決めたあの日から、私は毎日練習してきた。
女優じゃないんだから簡単に泣くなんてできなかったけど、これまであった悲しい出来事をいろいろと考えて、一番涙の出易くなるポイントを見つけた。
古本屋のパッケージもクリスマスムードに変わる………
「…ワケないか」
レジ打ちしながら独り言。
すみません。独り言が多くて。
いつも通りの黄色の袋に商品の本を詰め込んでーー。
「ありがとうどざいました!お売りできる本などありましたら、また是非お持ち下さい!」
ニッコリ微笑んでお客さんを見送る。
今日は遅番。だから20時まで勤務だ。
「菅野ちゃん悪いね〜。イブだって言うのに遅番で……」
店長の佐々木さんが申し訳ながる。
「いいですよ〜別に。大して用事もないし」
持ち込まれた本を選別しながらの返事。
あの日以来、店長達からの質問は少なくなってる。
自分は童貞じゃない…と言い出せない羽田が、「ほっといてくれ!」と頼み込んだからだ。
「今日はこの後デートなんだろ?」
クマさんをはじめとする他の男性店員達の耳がダンボになってる。
その質問の意図することを考えた上で、ニコッと笑ってごまかした。
「ご想像にお任せしま〜す!」
鼻歌まじりで仕事してるもんだから誰にでも分かっちゃう。
イブに泣く作戦を決めたあの日から、私は毎日練習してきた。
女優じゃないんだから簡単に泣くなんてできなかったけど、これまであった悲しい出来事をいろいろと考えて、一番涙の出易くなるポイントを見つけた。