あるワケないじゃん、そんな恋。
「ありがと…」


振り向いた菅野の顔がいつも以上に可愛く見えてマジビビった。


「いいから!外向いとけ!」


頭を掴んでほっとする。



…この距離ってヤバいよな。

何がヤバいって、さっきから微妙に菅野の足が当たるんだよ。


こいつ何を思ってか、今日に限ってこんな短いスカート履いてきて。

ロングブーツ履いてるから寒くないのかもしれねーけど、寒がりだって言うならズボンにしとけよ。


腿なんか見せんな。

目のやり場に困るだろ。



(…この後、どうするよ。この足見せられたまま暫く二人きりになるんだぞ。またムラムラしてチューでもしたくなったらそれこそアウトだろ!…って、いや待てよ。…ひょっとしてそれ狙ってるか?襲って下さい的な感じで、だからミニ履いてるとか……?)



「ーーーいや、それはねーか…」


「んっ?何が?」


ぎくっ!声だだ漏れてたか……!


「な、何でもねーよ。気にすんな!」


あっち向いてろ…と指差し、窓の外に目線を移す菅野にホッとする。


こいつがどんな意図でミニなんか履いてきたのかは知らねーけど、とにかく今夜は我慢のみだ。



ーー手は出さない。

出したくなっても我慢する。

嫌われたくねーからな、俺は。


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