あるワケないじゃん、そんな恋。
「……あのなぁ〜……お前、自分で言っといてそれは……」


「無いよ!だから驚いてんの!!」


真剣な顔して叫ぶと、ギロリとこっちに目を向けた。



「……私は…もっと単純なことをしてくれるのかと思ってたの!なのに、羽田はさっきからその反対のことばっかしてくれる!
予約券無いと乗れないバスに乗せられたり、いつの間にかケーキ予約してたり、さっき言ってたチケット売り場に並んだ…って言うのも、この観覧車の券買う為なんでしょ!」


「…そ……そうだけど…」


だってさ、イブの日に二人きりになれんだぞ⁉︎
カップルにとってはサイコーだろ⁉︎ このシチュエーション。



「……それが気に入らないって言ってんの!マジ気合入りすぎ!」



赤い顔が更に赤くなる。
ぶすっとした表情が、プイッと横を向いた。



「……こんな演出されたら困る!どんな顔すればいいかわからん!」



怒ってんのか困ってんのかどっちだよ⁉︎ ……って、ツッコミ入れる必要もないか……。


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