あるワケないじゃん、そんな恋。
「…今の光、もう一度見れるよね⁉︎ …だったら今度は写メしておこう!今日の記念に! 」


視界から消えていった宝石箱を思い出しながら羽田を振り返った。
羽田は膝を組んで、その上で頰杖をついてた。


「…好きにしろよ」


言葉少なく返事をして、どうでもいい…って顔してる。
私がさせたかったのはそんな顔じゃなくて、嬉しく堪らないって顔の羽田だったんだけどーーーー



(路線変更し過ぎたかな……)


変に飾って見せるより、普段通りの方がいい…と思った。

お家の寛ぎモードじゃマズかった?

もう少し女子に見せた方がいい?


羽田はどっちが好き?


どんな私にならときめくの?




「………ねぇ、羽田…」

「んーー?」


興味もなさ気に外を眺めてる。
その羽田の横顔を見つめ、さっき言いかけてた言葉を聞こうと思った。


「さっきさー、何か言おうとしてたよね?私のことが面白いとか何とか言ってた時……」


「ああ……でもいいよ、大したことじゃねーから…」


気にすんな…とかわされる。
絶対に何か言いた気だったのに、何も言わなくても済むことなの⁉︎




「変な羽田…」


つい出た一言に羽田の目線が注がれる。ハッとしたような目元をした羽田は、赤い顔してよそ向いた。


「何よ、さっきからこっち見てはすぐそっぽ向くその態度。気に入らない!」


観覧車に乗ってからずっとだよ⁉︎
何だって言うの⁉︎


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