あるワケないじゃん、そんな恋。
いい奴なんだよ。

今日一日中、私が恥ずかしくて逃げ回ってるのに、顔見る度に追いかけてきて。


「話聞けっ!」…って何度も言ってきてーーーーー




「なのにぃ…………ひっ……………く…っ……………私ぃぃ……………」







逃げてばっかいた……。

羽田の言葉、ホントは聞きたいって思ってたのに……。


また笑われたらどうしよう…と思ったら、絶対に側へも寄れなかった…。


芹那ちゃんに聞かれても……素直になれなかった………。


羽田のこと………




「少し好きになりかけてたのにぃぃ………」



声を聞いてドキドキした時から何となく感づいてた。

ただ、どうしても自分に自信が無くて。




言い出せなかった……。


言えなかった………。


羽田のこと、好き……って……。




「だって……あり得ないもん……。羽田が私を好きになることなんか………」



イブのデートに毛糸のパンツ履くなんて私くらいだよきっと。

寒がりだからって、普通は絶対それしない。


羽田とはそんな関係にならない…って決めてたから出来たこと。

だから、きっとあり得ない…って思った。



「羽田の話聞いてたら………さっきの返事も違ってたのかなぁ………」



今更そんなの考えても遅いよぉぉ……。


もう応援するって言っちゃったもん………。


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