キミへ。 ~背中の『2』~
あたしよりだいぶ背の高い夕輝の顔を見るには、見上げなければならない。
いつの間にか大差をつけられた。
「明日の大会ね、球場まであたしっちママが車で送ってくれるらしいんだけど、夕輝も乗ってく?」
「マジで?乗ってく!」
明日の大会…。
夏の高校野球、地区予選!
あたし達にとっては2回目の、夏の甲子園へのチャンス。
「てかお前、今日いつもより部活開始時間早いからな?遅刻すんなよ。」
「分かってるって!」
開始が早まるのは、大会前はよくあることだ。
そしてあたしはもちろん、野球するんじゃなくて、マネージャー。