キミへ。 ~背中の『2』~


ピンポンパンポーン。

『2年3組 松本夕輝。大至急職員室に来なさい。』


廊下に、張り詰めた声が響く。


「夕輝呼ばれてんじゃん。何やらかしたの。」


しかも面倒くさい生徒課の先生のお呼びだし。


「心当たりありすぎて分かんねぇ…。
わり、ちょっと行ってくる。」

「ばーか!」



野球ばかで、頭もばかで、単純で…。

図々しくて、声ばっかでかくて、頼もしい。


そんな夕輝が好き。

ずっと、好きだったんだよ…。

< 6 / 55 >

この作品をシェア

pagetop