キミへ。 ~背中の『2』~



「はー、ゆうはいいねぇ。毎日が青春で。」

「どこが青春だ。」



教室に入ると、鈴があたしの席をちゃっかり奪っている。


佐藤鈴【さとう りん】。

少し茶色がかったショートカットが似合う。



「何言ってんの。夕輝君っていうイケメン球児と毎日ラブラブ過ごしてるくせに。」

「ラブラブなんてしてませんー。」


ラブラブなんてできたら、なんて幸せか。


「好きなんでしょ〜?」

「え!?なんで、そんなわけ…。」

「あ、やっぱり?ゆう分かりやすいなあ。」


さすが鈴さん。

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