愛しいあなたへ~song for you~



私…。



何やってるんだろう。




…やだ。

あんな大きな声だもん。






きっと、

いや、絶対に聞かれてたよ!!





…今ので、篤司君に嫌われたよね。









何で、

あんな

大きな声で

言っちゃったの?








あぁ~っ。

自己嫌悪。







そして、

夢中で走って、



…気付いたら、

見慣れたドアの前にいた。






ここ、屋上?










息を切らしながら、

ため息もついた。








私、本当に馬鹿だ。





こんな、

必死に走って

逃げて来た先が、

屋上って…。





…つい一昨日、

閉じ込められて、

懲りたばかりだって言うのに…。






情けないと、

思いながら。




乱れる息を整えて、

引き寄せられるように

扉を開けた。






そこには、

いつものベンチに

…綺麗な青空が広がっていた。




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