愛しいあなたへ~song for you~
1.損な役回り
(1)
それは、突然だった。
「美由なら出来るよ!
あんなに上手なんだもん!」
私は、苦笑をして言った。
「無理だよ。
私なんか…。」
しかし、
クラス中の人達が譲らなくて。
「美由ちゃんしか出来ないって!」
「そうだよ!お願い!」
…ん~。
そんな事言われても、
困ったなぁ。
すると、
教卓に立っていた
クラス委員の二人が言った。
「それでは、
話をまとめます。
来月の聖夜祭の
クラスの出し物は
みんなで合唱に決定!
ちなみに
歌は、
美由ちゃんに
作曲してもらうという事で
よろしいですか?」
『はーい』
そ、そんな。
私は、机に俯せた。