愛しいあなたへ~song for you~
5.教室での事件
(5)
「美由!
今日の放課後も、いつものとこに集合な!」
篤司君は、
机に座ってた私にそう言った。
曲を一緒に作る事になってから。
ほぼ毎日、放課後音楽室か屋上で、
一緒に曲を作っていた。
私は、
篤司君の事、
会う度に
どんどん好きになっていた。
篤司君も、
『美由さん』から、
『美由』って、
呼び捨てしてくれるようになって。
…名前を呼ばれる度に、
胸がドキドキして、
顔が赤くなって。
これが、
”恋”なんだ!
って実感出来て、
その度に、
すごく幸せになるんだ。
「…よかったね~。美由!
今日も、放課後デート?」
友香が、
からかって、
そんなことを言った。
「そ、そんなのじゃ…。
篤司君は、
ただ
作曲を手伝ってくれているだけで…。
失礼だよ!
私となんかじゃ、
その、
つり合わないし…。」
私が言い訳しても、
友香は、ニヤニヤ笑いながら、
周りに聞こえないように言った。
「…でも、
好きなんでしょ?
篤司君の事。」
その瞬間、
頭から手と足の先まで、
真っ赤になってしまった。
そんな私を見て、
「かわいい~。」と友香が、
からかってきた。
最近、
いつもこんな感じに
友香は
意地悪なこと言うんだから。
…も、もう!やめてよ!!