愛しいあなたへ~song for you~
丁度、その時、
西島君が声をかけてきた。
「美由ちゃん♪作曲の調子はどう?
篤司も、手伝ってるんだろ?」
私は、頷いて答えた。
「う、うん。順調だよ。」
西島君は、嬉しそうに言った。
「そっかぁ!よかった!
やっぱ、
美由ちゃんに任せてよかったよ。」
その時だった。
「ねぇ、美由ちゃん!ちょっといい?」
クラスの女の子が突然、声をかけてきた。
振り向くと、三人。
確か、流山さんと吉川さんと筑波さん。
…あんまり、
話したことがない人達だけど…。
なんだろう?
「う、うん。どうしたの?」
そう答えると、
流山さんが、笑顔で言った。
「噂で聞いたんだけどさ、
今度の聖夜祭の曲、
篤司君と放課後、
二人きりで作ってるって話、本当なの!?」
私は頷いて正直に言った。
「うん。
私一人じゃ、どうしても作れなくて。
だから、
篤司君に手伝ってもらってるの。」
すると、筑波さんが興奮気味で言った。
「やっぱり、本当だったんだ!!
ほら、チャンスだよ。
よっしー、お願いしちゃいなよ!」
吉川さんは、
モジモジとして
「でも…」と、言っていた。
鈍感な私は、
何で吉川さんが顔を真っ赤にして
モジモジしてるか…なんて、
わからなかった。
後で、友香に言ったら、
「呆れた…。
あんな分かりやすい態度見て
気付かないのは、美由位だよ!」
…なんて、馬鹿にされてしまった。
そんな馬鹿な私は、
次の瞬間、
流山さんが、
吉川さんの肩に手を置きながら、
詳しく話してくれたのを聞いて、
やっと、事情がわかったんだ。