愛しいあなたへ~song for you~



「実は、よっしーさ、

篤司君にぞっこん中なんだよね!



曲作りで放課後二人っきりなんて、

チャンスじゃん。


しかも、よっしー、

詩とか書くのメチャうまだからさ。





お願い!

篤司君と曲作りする”特等席”、

譲ってくれない?」






一瞬、時間が止まったかと思った。






吉川さん…。

篤司君の事が、好きなんだ…。





篤司君が、

とっても人気があるのは、

知ってたけれど。




こうやって、

”好き”

だって言う人を目の前にすると、






すごく…胸が痛くなる。




そんな私の気持ちを知らずに、

流山さんは、

追い討ちをかけてくる様に

頼み込んできた。







「ねぇ、いいでしょ?

よっしーは、いつもぼーっとしてて、

あんまり、こういう事には、

関心無かったんだけど、



今回は、本気なんだよね。





まさか、美由ちゃんも、

篤司君狙い…じゃないでしょ?」






“ズキッ”




何か言われる度に、胸が痛い。





その時、

そばにいた友香が耳元で言った。







「…駄目だよ!美由!

後悔したくなかったら、

自分の素直な気持ちを言わなくちゃ!」









素直な気持ち。







私だって、篤司君が…。



でも…。





「でも…私…」




どうしよう。言えないよ。






その時だった。


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