愛しいあなたへ~song for you~
「…今の気持ちを
そのまま書けばいいんじゃないかな?」
「えっ?」
私が首を傾げると、
篤司君は腕を組んで、
正面をしっかり見て言った。
「才能とか、経験とか。
歌詞を書くのに、
そんなものは、ほとんど必要ないと思う。
…必要なのは、素直になること。
誰か、何か、
大切なものに感じたことを、
思ったように書けばいいんだよ。」
素直な心?
じゃあ、篤司君にも…。
「…篤司君にも、大切な人がいるんだ。」
私がそう聞くと、
篤司君は、恥ずかしそうに
「まあな」
って言った。
…そっか。
…そうなんだ。
「いいなぁ。」
篤司君に思われてる人は
幸せだな…。