愛しいあなたへ~song for you~
7.希望の見えないこの想い
(7)
私と篤司君で作った
デモテープをクラスで流しきると、
耳が痛い位、沈黙が広がった。
私は不安を抱えながら、
みんなの顔を見渡した。
すごく良い曲になった!
と思うんだけれど…。
どう感じたかな?
不安で、篤司君の方をみた。
篤司君は、目が合うと、
優しく微笑み返してくれた。
「大丈夫」
と、安心させてくれるみたいで
心強かった。
「…これ、すごく良い曲!」
一人がそう言うと、
みんな頷いて話し始めた。
「うん。普通に感動した!」
「ってか、これ、
まぢで美由ちゃんと篤司が作ったの?」
よ、よかった。
とりあえず好評みたい。
教卓に立っていた西島君が笑顔で言った。
「…もう、意見とか聞くまでもないな!
今回の聖夜祭の出し物は、
美由ちゃん作曲・篤司作詞の
『メロディー』で決定!」
その瞬間、拍手と歓声が湧いた。