愛しいあなたへ~song for you~
「私なんかで良ければ、
もちろん行くよ。」
笑顔でそう答えると、
ふわっと、肩に重みが、かかった。
振り向くと、
西島君が私の肩に手を置いていた。
「そういうのは、美由ちゃんにもそうだけど、
俺にも誘ってほしいな。
指揮者と伴奏者は
一心同体でやるんだから。
ね?美由ちゃん。」
西島君は、
私の顔を覗きながら言った。
きっと、
意識は、してなかったみたいだけど、
顔が近い…。
こんなに、
近くに男の子の顔があるのは、
初めてだから。
何も無いって分かってるけれど。
意識しちゃうよ。
…恥ずかしい。
篤司君も見てるのに、
止めてほしいな。
その時、
突然手を引っ張られて立ち上がった。
「こんなの、ほっといて、
さっさと行こうぜ。」
篤司君は、そう言って、
私の手を引っ張った。