愛しいあなたへ~song for you~




何がだろう?




首を傾げると、篤司君は言った。






「指揮者、断って。

本当だったら、

俺が一緒にやりたいと思ってたんだ。





でも…

ほら、周りの目とか、色々あるだろ?



だから、断った。」









周りの目?







…あぁ。

そういうこと…なんだ。







篤司君が、

私と二人でずっと一緒にいると、

勘違いされちゃうもんね。





そうしたら、篤司君、迷惑…だよね。


前に気になる人がいるって、

言ってたもん。




困っちゃうよね。







「でも、だからって、

お前が勘違いするなよ!



今までと変わりないからな。



曲の相談とか…

誰かに嫌な事されたら、


俺に言えよ。



絶対。」






篤司君は、

真剣な顔でそう言ってくれた。








「うん。」










篤司君は、

誰にでも優しい。






そんな所、大好きだよ。







でも。





< 45 / 130 >

この作品をシェア

pagetop