愛しいあなたへ~song for you~
あなたと友香の顔が
頭から離れない。
弾けば弾く程、
蘇るあなたと
過ごした記憶。
楽しかった日々が、
ものすごく、
昔のように感じる。
止めたい。
…でも、
指が勝手に動く。
思い出の曲だから。
家でも、
あなたを思い出したくて、
何度も何度も弾いたから。
思い出さなくったって、
指が覚えてる。
何もかも
止まってしまえばいいのに。
ふと、気がつくと、
最後まで弾き終わっていて、
周りは静まり返っていた。
鍵盤から、
目を離して、周りを見ると、
クラスの何人かの女の子が
泣いていて。
そして、
みんな…みんな、悲しい顔をしていた。