愛しいあなたへ~song for you~
家に帰ってからも、
美由の事で
頭がいっぱいで…。
あの時、
西島や
みんなを振り切って
追い掛ければよかった。
放課後、
教室で待ってたけど、
結局、
美由は、戻って来なかった。
ベットの上で
携帯を見ながら、
ため息ついた。
「…駄目だな。
俺って…。」
…美由…
本当に…ごめん。
その時だった。
突然、
持ってた携帯が鳴り出した。
しかも、電話。
こんな時に誰だよ。
「…もしもし。」
『もしもし、篤司か?
西島だけど、
お前、今どこにいる?』
…こんな時に、
よりによって西島から。
…ありえねぇ。
イライラする気持ちを
必死に抑えた。
「…どこって。
今、家だけど?」
『お前…呑気な。
そんな所に居る場合じゃないぞ!
大変なんだ!
実は、
美由ちゃんが…
行方不明になったんだ。』
「はぁっ?!」
心臓が
飛び跳ねると同時に
体も飛び起きた。
そして、
頭から背筋まで
スッと、
血の気が引いていった。