愛しいあなたへ~song for you~
胸が苦しかった。
抑えるように、立ち上がった。
「じゃあ、私…。」
そう言いかけると、
突然、腕を掴まれた。
「…『無理するな』?」
篤司君に、
そのまま強い力で
後ろの壁に、押し付けられた。
篤司君は怒ってた。
「ふざけるな。
お前に対して、
無理なんか、したことねぇよ!
…何、勘違いしてんだよ。
無理してるのは、美由だろ?!
お願いだから、
俺には、本当のこと、言えよ!!」
胸が張り裂けそうな位、
ドキドキした。
そして、
篤司君の顔が
そのまま近づいてきて、
目を開けていられなくて
目を閉じると、 唇が重なった。
身体が麻痺したみたいに
動かなくなった。
篤司君の唇が、
滑るように動くと、ドキッとする。
まるで、
時間がそのまま
止まってしまったみたいだった。
でも、
誰かの声が聞こえて来て、
一瞬で現実に引き戻された。