愛しいあなたへ~song for you~
「美由!美由!」
「美由ちゃん!!
どこにいるんだ?!」
腕に力が戻った瞬間、
篤司君の胸を強く押した。
現実に戻ったら、
頭が一気に混乱した。
胸が苦しくなった。
自然に涙が出てきた。
「篤司君の気持ち、わからないよ。
何で、こんなことするの?」
何で?
友香が好きなんでしょ?
私と誤解されるの
嫌がってるくせに。
頭が混乱して、
もう何がなんだかわからなくて。
「美由!」
声の方を振り向くと、
西島君と友香がいた。
友香は、息を切らしながら、
こっちを見てる。
「美由!大丈夫?
私、心配したんだよ?」
友香…。
「ごめん。もう大丈夫だから…。」
そのまま、
みんなから逃げるように走った。
胸が苦しかった。
外は雨が激しくて、冷たかった。