愛しいあなたへ~song for you~

「それから…美由。

私、やっぱり、

篤司の事好きみたいだから!」








"ズキン"




えっ…。


友香?






友香は、

篤司君の腕を

強引に引っ張って、

恋人のように腕を組んだ。









「だから。

これからも、


”邪魔”



しないでね。」








タイミング良く

チャイムが鳴って、

先生が教室に入ってきた。







「ホームルーム始めるぞ!

全員席に座れ。」








クラス中、

静まり返っていた。

先生のその一言で

全員、自分の席へと移動した。







私は…。




すごく、頭が混乱していた。








友香。


やっぱり、

篤司君の事が好きだったの?




でも、昨日は、

あんなにも否定していたのに。






…応援してくれるって

言ってくれたのに。









全部、

全部嘘だったの?




友香。


私、

何を信じればいいの?




また、だ。



…胸の奥から、

あの黒い感情が、

溢れてくるのを、

抑えられなくなっている、


大嫌いな

私が、

ここにいた。





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