あなたの好きは聞きたくない。
「りょーーーーう!」


ぶつかったのは夢叶。


「諒好きよ!愛してる…」


そう言ってキスしてきた。

俺は驚き過ぎて何も言えなかった。

軽く触れているだけだか、気持ち悪い。

美彩は泣いている。


「ゆ…か!何すんだよ!」


「だって…私にはキスしないで、この子にはキスしようとしてたじゃない!ちゃんと見てたんだから!」


キスをしようとしてたのが恥ずかしくて、真っ赤になる。

けど、ずっと見てたのか。

夢叶は前からそうだ、少し優しくしたら近くにずっと一緒にいて。

おかしな奴だった。

美彩よりも夢叶の方が気持ち悪い。


「先輩…私の事好きですか?」


悲しげな表情だけど、とても綺麗に見えた。

あぁ、俺はこいつの事が好きなんだ。

伝えなくきゃ。


「…俺は美彩の事が好きだよ」


「"最期"にそんな事を言われるなんて思っても見ませんでした。有り難うございます」


そう言うと美彩は俺にキスしてきた。

とても柔らかな唇だった。

軽く触れてるだけのキスで、何処か物足りなかった。

思わず俺は目をつぶった。

そして目を開くとそこには、美彩がいなかった。


「え?み…さ?」


「い…いやぁぁぁぁぁ!」


俺は何が起こったか分からなかった、夢叶はただただ泣いていた。


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