嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
「あからさまにそんな表情したら杉本にも気付かれるぞ」


「私、どんな表情してる?」


「切なそうな…なんつーか物欲しそうな顔」


私は頬をパチンパチンと叩いた。


そんな表情してるつもりはないのに。


心でそう思っていても行動として出てしまうのかなぁ?


「やっぱり私には乃愛から奪うなんて無理だよ」


私はグラウンドにいる乃愛を見ながら言う。


「乃愛を傷つけたくない」


本心から言った。


すると春山くんは鼻で笑った。


私は思わず彼を見る。


そこには嘲笑うかのように私を見る春山くんがいた。


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