嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
乃愛に連れられ、家に上がった。


玄関で靴を揃えているとき。


私のスマホが鳴った。


「あ、ごめん。先行ってて」


乃愛と恭也くんに言って、私は電話に出る。


「はーい」


『くるみ?もう着いたの?』


「うん」


『乃愛、元気そう?』


「意識はあるみたいだけど、すごくキョトンとしてる」


『そっか』


「心配なら美羽も来ればよかったのに」


『え、やだ。くるみだけだったら行ったけど、余計なものまでついたからさ』


たぶん真顔のまま言ってると思う。


何か想像すると笑える。



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