嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
「私もびっくりしたよ。まさかとは思ったけど」


『来るとは思ってたけどね。あたしたちが話しているとき、すごくこっちを見てたし。』


「そうなの?」


『まあね』


美羽は周りをよく見てるなー。


『今、何してるの?』


「家着いて、二人には先に部屋に行ってもらってる」


『あ、あたしが引き留めてる感じ?』


「まぁ、そうだね」


電話の向こうの美羽に笑いかける。


『あたし、タイミング、悪いな』


美羽がフッと笑う声が聞こえた。


苦笑いでも浮かべていると思う。


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