嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
告白
「昨日、何で帰っちゃったのー?」


次の日。


すっかり元気になって復活した乃愛が膨れっ面で訊いてくる。


「あ、ごめん。急用を思い出して」


私は顔の前で手を合わせる。


「美羽来てなかったから、くるみに試作品のお菓子、あげようと思ったのに」


私の隣にいる美羽が参考書に向けていた顔を上げた。


朝からそんなもの読んでるの、美羽くらいだよ。


「じゃあ、あたしが来てたらどうだったのよ?」


乃愛は満面の笑みを浮かべた。


「普通のポテチ開けてた」


「おい」


美羽が低い声で突っ込む。


そしていつものお得意の真顔。





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