嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
「…そう。じゃあ恭也。乃愛とのデートのあとはお姉さんの買い物に付き合うとか言ってたよね?…それ、どうなったの?」


乃愛は私に一瞥を送っただけですぐに恭也くんに目を移した。


「…それは…」


恭也くんは言葉に詰まる。


「乃愛に分かるように説明してね」


乃愛は鋭い視線を恭也くんに送る。


そしてしーんとなった。


周りは騒がしいのに、三人を取り巻く空気は冷たくて静か。


誰も何もしゃべらない。


乃愛も私も自然と恭也くんを見ていた。


恭也くんは空を仰いでいる。


そしてその顔は乃愛を見た。




「…乃愛、ごめん!!」




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