嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
それも硬式の。


私は思わずその集団の女子を睨んだ。


「え、何、その顔」


「浮気しといてえらそうなことするなよ」


「きもーい」


私に降ってくるたくさんの誹謗。


ダメ。


泣いたらダメ。


これは罰だから…。


乃愛を裏切った罰だから…。


「ねぇ、是永さん?」


後ろから声がした。


すると。


バシャン。


アハハと爆笑する女子の集団。


「冷た…」


目の前には空のバケツを持って立つクラスの女子。


私は全身びしょ濡れになった。


今は11月。


まだ本格的な冬は来てないといっても、寒い。


凍え死にそうだった。


< 148 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop