嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
□ □ □


教室に戻ると、美羽がスマホをいじっていた。


そして私に気付くとにこっと笑った。


「くるみが出てる間に乃愛、帰っちゃったよ…ってくるみ?顔、赤いよ?」


「へ?」


「熱でもあるんじゃない?」


「え?嘘!?」


私は手を顔に当てた。


ほんとだ、熱い。


「風邪かもしれないんだから、今日は早く休むんだよ。…くるみはもう帰る?」


美羽が荷物を整理しながら訊く。


「まだ帰んないかな」


「そっか。気を付けて帰ってね。じゃあね、ばいばい」


美羽は軽く微笑むと、教室から出ていった。


笑顔がかわいすぎる。


美羽と二人きりになると時々、にこって笑ってくれる。


それが本当に可愛くて。




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