嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
驚くほど冷たい声に、冷たい笑い。


先程とは別の子がバケツを持って私の前に立っていた。


そして頭の上でバケツをひっくり返したのか空のバケツが彼女の手にあった。


冷たい…。


もう声なんか出なかった。


声を出せるほどの体力がなかったのも事実。


「わー。ハイソまでビショビショだねー」


「濡れるなら全身濡れなくちゃおかしいでしょ」


「あは。確かにー」


「さっきの間に汲んでおいたんだけどー」


「え?まだあるの!?」


「さっすがー」


「ほら、もう一回やろうよ」


私の前に今度は別の子が立った。


…乃愛、ごめん…。


目を瞑った。


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