嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
美羽が顔を歪めた。


悲しそうに、苦しそうに。


「あたしはいつも肝心なときに友達を助けてあげられないから…」


美羽が再び苦笑いを浮かべる。


私は涙が出そうだった。


「…それにあたしは乃愛のこともちゃんと見てあげられなかった。…はぁ」


美羽が大きなため息をついた。


私はブラウスを脱いでジャージを着た。


美羽も同じようなことをする。


「美羽がそんなこと考えてるなんて知らなかった…」


「あたし、結構色んなこと考えてるよ。表情に出さないから分かんないと思うけど」


力なく美羽が笑った。


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