嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
教室に行くと、二人は質問攻めされていた。


冷やかしとか色んな声が聞こえる。


その中心で幸せそうに笑う乃愛。


あんな表情、見たことない…。


その笑顔は羨ましいくらい可愛くて。


誰も乃愛には敵わないんじゃないかというくらい。


胸が張り裂けそうだった。


どういうことなの…?


みんながその輪の中にいるなか、ひとりだけ外れている美羽。


乃愛たちなんか気にせずに机に向かっている。


私は美羽のもとへ行く。


「くるみ、おはよう。朝からうるさいよね。予習できないから困る」


美羽は真顔でその集団を見た。


そしてつまんなさそうに水色のシャーペンをくるんと回した。


「おはよう…。予習って英語の?私してきたけど…」


「あ、ほんとに?答え、確認していい?」


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