嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
本当は違う。


本当は恭也くんを見ていた。


…昨日のことは何だったのか聞きたくて。


「ふーん」


美羽は深くは聞いてこなかった。


二人に向けていた視線をそのままノートへと移す。


私は言ってみようかなと思ったけど、やめた。


何が正しいのか分かんないし。


美羽に心配かけたくないし。


それより以前にそんなこと言われた美羽が迷惑だと思うし。




とにかくこの日は乃愛と恭也くんの噂で持ちきりだった。


そしてこんなにも息苦しいと感じた日はないというくらい辛かった。


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