嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
アジサイ
「くーるーみっ!!」


後ろから少し高い声がしたと思ったら。


ウグッ…。


思いっきり後ろから抱き付かれた。


く、苦しい…。


「ちょ、ちょっと…離して…」


私が苦しそうに言うと、乃愛(のあ)はあっさりと私から離れた。


息が止まるかと思ったよ…。


生きてて初めて死の危険を感じたよ。


「どうしたの?」


乃愛は私の隣の席にドカッと座る。


「くるみは今日、部活あるの?」


乃愛がこんなこと聞いてくるなんて珍しい。


「今日?今日は休みだよ」


すると乃愛はパアッと顔を輝かせた。


そしてニコニコ微笑んでくる。


…どうしたの…?


「マネージャーの仕事、シフト制になっちゃって。で、部活ないんだけど、恭也(きょうや)待たなくちゃいけないから、どこで時間潰そうかなって思ってたの。でもくるみも休みなら、教室で待とうかなー?」

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