嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
「くるみちゃん!!」


あ。


遠くから手を振ってやって来る恭也くん。


私も手を振り返す。


爽やかな笑顔を振り撒いて私の元へやってきた。


「待った?」


肩で息をしながら聞いてくる恭也くん。


「全然。それより疲れてないの…?」


恭也くんはニカッと笑った。


ほんとかな…?


たぶんというかおそらくというか絶対に。


私と会う前に乃愛とどこかへ行ったと思う。


そういう日じゃないと私は恭也くんと出掛けないから。


それに、駅前じゃない、違う場所で。


乃愛と出くわす可能性を下げるため。


何をしてきたかは知らないけど。


…知りたくなんてないけど。


知って落ち込むのは紛れもなく私だから。


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