嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
「今日は映画行こっか?」


恭也くんが私の顔を覗き込んできた。


「…あ、いいね!!」


慌てて声を出す。


そのせいで少し声が裏返っちゃった。


恭也くんと居るときに考え事をしていると危ない。


突然、話を振られるから。


私は急いで笑顔を作って答えた。


表情が置いていかれそうになる。


また油断してた…。


作り笑いになっちゃった…。


まぁ気付いていないみたいだしいいか。


作り笑いはなぜか得意だから…。


あと愛想笑いも。


…そんな得意技なんていらないけど…。


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