嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
□ □ □ □ □


映画館にはあまり人は居なかった。


…まぁ平日のこの時間帯だしね…。


制服の私たちは少しだけ浮いている気がした。


人が多いところは嫌いだからこれくらいがちょうどいい。


でも制服姿なのは私たちだけじゃなかった。


目の前に見覚えのある制服が通る。


見覚えのある黒ブレザー。


…あ、同じ高校。


そう瞬時に判断したときにはその人から顔を背けていた。


恭也くんもそうしていたみたいで。


二人して肩をすくめて笑う。


夜にデートするカップルは私たちだけじゃないみたい。


隙もない…。





< 41 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop