嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
私が黙り込んでしまったせいなのか春山くんは気の抜けたように笑った。


「あ、もしかして間違ってた?驚きすぎて声も出なくなっちゃった?ごめんな…。嘘がすぎたよな。だって芹沢は…」


「間違ってなんかないよ。私、恭也くんと一緒に映画を見たよ」


私は春山くんの声を遮った。


春山くんはびっくりしたように口をぽかーんと開けた。


自分でもびっくりした。


こんなはっきりと言えるなんて思ってなかったから。


頭で考えていた言葉たちの整列は遅かった。


「…それは友達として?」


私は首を横に振った。


「…え…?じゃあ何…?」


戸惑ったように聞いてくる。


シーンと。


一瞬、静かになる。


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