嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
「是永」


昨日の夜をすぐに思い出すくらい、まさにデジャヴだった。


私の後ろには予想通り春山くんが立っていた。


「…あ…、おはよ…」


声を出すので精一杯だった。


動揺しているのがバレないように真っ直ぐに彼を見る。


春山くんも真っ直ぐと私を見ていた。


「…是永はさ、辛くないの…?」


遠慮がちに、そして心配そうに聞いてくる春山くん。


もしかして見られてた…?


というか、絶対、そうだ。


乃愛と恭也くんのこと。


それを見る私の姿。


春山くんの目には私はどんな風に映ったのだろう?


今のやつ、見られてたんじゃ必死に動揺を隠した意味がないよ。


ただのバカみたいじゃん…。


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