嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
□ □ □ □


教室に入った瞬間、罵られると思っていた。


冷たい目を向けられたり…とかして…。


もしかしたら、私の机、ないかも…。


そんなことばかり想像していた。


でも―。


私がドアを開けると、みんないつものように一瞬静かになり、また騒ぎ出した。


…あれ…?


みんな、何も知らないのかな…?


「あ、くるみ。おはよ」


私に気付いた美羽が話しかけてきた。


「…おはよ…。ねぇ、美羽」


「ん?」


美羽が小首を傾げる。


「何か…変な?変な噂聞いてない?」


美羽は『は?』という顔をする。


…突然聞かれたらそうなるよね…。


ごめん、美羽。


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