嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
何か申し訳ない。


そう思いながら彼を待つ。


第二講義室はどこの教室よりも木のにおいが強い気がする。


何でだろう…?


どの教室も同じ造りなのに。


鼻がおかしくなったのかな…?


鼻をつまんだり離したりしている途中で春山くんはやって来た。


「…何してるの?」


引き気味に私を見る春山くん。


そんな目で見ないでよ…。


私、完ぺきに痛い子じゃんか…。


自分が間抜けに思える。


「いや、鼻がおかしいなーって思って」


すると彼はクスッと笑った。


…え、そこ、笑うとこ…!?


「是永って面白いね。同じクラスだったのに、あんまり話したことなかったから初めて知った」


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