嘘と秘密～悲しいラヴァーズ～

「何よ、恭也。恭也だけ独り占めしてずるーい」


「は？くるみちゃんは俺の彼女だろうが」


「そんなのダメ！絶対に許さない！」


「…何か意味分かんないんだけど！」


「お前ら、うるせーよ」


ドスの効いた低い声に関係ない私までもが体をビクッとさせる。


振り向くとイケメンさんが真顔で二人を睨んでいた。


…何か迫力あるなぁ…。


「公共の場で騒ぐな。お前と恭也の彼女さんは先に席行ってろ」


…はい？


「はーい。じゃ理人、注文よろしくね！」


「…いつものあれか？」


「うん！そうそう。じゃ行こっか」


その美人さんは私の腕を掴むと足早に歩き出した。