嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
美羽はカバンを下ろし、私の前の席に座った。


「何よ!!乃愛のお願いは聞いてくれないのに!!」


「あんたはちゃんとお願いを聞いてもらえる相手が居るでしょうが」


乃愛は頬をプクーと膨らませた。


その姿は本当にかわいいかった。


私なんか到底できそうもない。


というかやらせてもらえない。


乃愛だから許されるんだ。


そんな二人の姿を見て、私はアハハと笑う。


「本当にくるみは優しいわ」


「へ?何、突然?」


「でも時々心配になるわ。変な男に騙されないかって」


「あ、それ、乃愛も思う!!」


< 9 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop