嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
すると美羽が大袈裟にため息をついた。


「バカだね、乃愛は」


いつもと変わらずバッサリ言い切る。


私も乃愛も「え?」と美羽を見る。


「それだけでまだ浮気って決め付けたらダメ。もしかしたら、友達と行ったかもしれないじゃん?」


美羽は淡々と言う。


「何でそんなことも思い付かないの?焦る気持ちは分かるけど」


乃愛が「そっか」と呟く。


「乃愛が芹沢くん信じなかったら離れて行っちゃうよ?疑うのは証拠がそろってから」


乃愛は嬉しそうに頷く。


私も…、何か言わなきゃ。


…言いたくないけど…。


それより以前、上手く言えるか分かんないけど…。


震えちゃ、ダメ…。


落ち着いて…。





< 91 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop