嘘と秘密~悲しいラヴァーズ~
「まぁ、人には好みというものがあるからね」


美羽は箸を置いた。


そして私の方へと向き直る。


…え、何…?


「くるみは?くるみは芹沢くんのことかっこいいと思う?」


来た…。


美羽の突然。


すべてを見透かしたようなキレイな瞳に吸い込まれそうになる。


そんなに真っ直ぐに見られたら、嘘はつけないよ…。


「…かっこいい…とは思うよ?…美羽は…?」


少し意地悪したつもり。


…というか本当に気になったからだけど。


美羽は大して驚きもせず、少し微笑んだ。


「くるみがそう言うならそうなのかも」


でも次の瞬間には真顔になっていた。


…美羽の心の中は絶対に読めない。






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